【実機レビュー】M.2スロットで使える10GbE対応ネットワークカード「M.2 to Single 10G Ethernet Network Adapter」を試してみた

ぽんさん

先日10G回線にしてさ…。

つなさん

無線ルータ壊れて
無線ルータだけ買いかえればよかったのに、回線まで変えた件ね

ぽんさん

そう、実はあの時マザボが2.5Gbpsまでにしか対応してなくて

つなさん

どれだけ無計画なんだ。

ぽんさん

Aliexpressで拡張パーツ仕入れて、1か月ほど使ってみたから
レビューしていくよ

目次

M.2型10ギガビットイーサネットアダプタとは

従来はPCI Express(PCIe)スロットに差す大きめのカードタイプが主流でしたが、最近はM.2スロットに挿すM.2型10GbEアダプタなるものが登場してきています。

イメージ図

購入経緯と価格

最初私は、PCIe型NICの購入を考えていて、実際に以下の商品を購入しました。

ぽんさん

この無計画に買ったのが悪夢の始まりだったんだな

失敗談:PCIe型での痛い経験

実は、このM.2型に行き着く前に、一度失敗をしています。
当初は現在使用しているAsrock B650 PG LightningマザーボードにTP-Linkの10Gbps LANカード PCI-E アダプター(TX401)を購入し、PCIeスロットに取り付けました。

しかし、これが悲劇の始まり。
PC自体はカードを認識するものの、どうしてもインターネット接続が確立できない…。
ドライバの再インストールやケーブル交換まで試しましたが改善せず、最終的にマザーボードのブロック図を確認したところ、原因が判明しました。

マザーボード側のスロットはPCIe 3.0 x2となっており
一方、TX401はPCIe 3.0 x4を必須としており、帯域不足が原因で正常動作しなかったのです。

結局、泣く泣く返品手続きを行い、「スロット帯域に制約がある環境でも使える方法はないか…」と調べ続けた結果、今回のM.2型10ギガビットイーサネットアダプタにたどり着いた、というわけです。

ぽんさん

今時のマザボだからイケると勝手に思って全然調べずに買い、結果自爆

つなさん

みなさんは拡張パーツ買う場合は、しっかり下調べをしましょう!

スペック

今回購入したM.2型10ギガビットイーサネットアダプタの主な仕様は以下の通りです。
※付属のユーザーマニュアルより

製品仕様
対応バス幅 Gen4 x1, Gen3 x4, x2, x1
対応ラインレート 最大 16.0 GT/s, 8.0 GT/s, 5.0 GT/s(レーンあたり)
接続 Tiny daughter board(高性能シールドケーブル)
ジャンボフレーム 最大 16 KB
対応LAN速度 10G / 5G / 2.5G / 1000M / 100M
消費電力
  • 10GBASE-T:2.5W(Cat 6A 10m時)
  • 5GBASE-T:1.5W
  • 1GBASE-T:1W
対応規格 IEEE 802.3an / 802.3bz / 802.3ab / 802.3u / 802.1Q / 802.3x / 802.3az
AVB(IEEE 802.1AS, 802.1Qav)
PXE, EEE, VLAN対応
温度範囲 動作:0〜70℃
保存:-55〜105℃
湿度条件 最大90%(35℃、非結露)
対応OS Windows 10 / 11
Windows Server 2022
RHEL / CentOS 7.3 / 7.6 / 7.9 / 8.2 / 8.3
Deepin 15.11 / 20 / 20.6
Ubuntu 16.04.3 / 18.04.5 / 20.04.5 / 22.10 / 23.10
Mac OS
パッケージ内容 1× M.2 2280 シングル10Gイーサネットアダプタ
1× ユーザーマニュアル
1× 13pin to 13pin ケーブル
1× Low Profile Bracket
LEDインジケータ
速度ACTLINK
100MGreenOrange
1000MGreenOrange
2.5GGreenOrange
5GGreenOrange
10GGreenOrange

補足説明

  • 対応バス幅について
    PCIe Gen4 x1からGen3 x4やx2、x1まで幅広く対応しているため、多くのM.2スロット環境で利用可能です。
  • ジャンボフレーム対応
    最大16KBまで対応しており、大容量データの高速転送に有利です。
  • 消費電力について
    10GBASE-T接続時は2.5Wと省電力設計ですが、速度が落ちるほど消費電力も減少します。
  • 対応OSの幅広さ
    主要なWindowsやLinuxディストリビューション、Mac OSまでサポートしているため汎用性が高いです。
  • パッケージ内容
    13pinケーブルでM.2基板とRJ45ポートのTiny daughter boardを接続する構造で、設置場所の自由度があります。
    また、省スペースPC向けにLow Profile Bracketも付属しているのが嬉しいポイントです。

購入した商品はこちら

Aliexpress:https://ja.aliexpress.com/item/1005008157272249.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.5.1b24585aZvTgD2&gatewayAdapt=glo2jpn
価格:US $89.63 (購入当時)

外観・員数

すみません、かなりテンパった状況で作業していたため、ほとんど画像取得できておりませんので、ネットからの画像を使わせていただきます。

員数としては、
・M.2 2280 x1
シングル10Gイーサネットアダプタ x1
・ユーザーマニュアル x1
・13pin to 13pin ケーブル x1
・Low Profile Bracket x1

出典元:Aliexpress

13pin to 13pin ケーブルの取り回しは比較的自由です。ケース内のスペース次第では長さが厳しいかもしれません。
そして特に注意しなければならないのが、付属ネジがないことです。よって取付前にネジを用意する必要があります

取り付け

Asrock B650 PG Lightning WiFi(B650 AM5 ATX)」のPCIe 3.0 Gen4 x2対応のM.2スロットに取り付けました。

対応スロットの確認

「B650 PG Lightning WiFi」には複数のM.2スロットが搭載されており、私の環境では、PCIe Gen4規格のx2レーンに空きがありました。
今回購入したM.2アダプタはGen4 x1、Gen3 x4、x2、x1に対応しているので、理論上はGen4 x2帯域で動作可能です。
よって、PCIe Gen4 x2スロットに取り付けました。

動作確認

Windows 11環境でPC起動後、デバイスマネージャーで正常に認識され、Marvell公式サイトの最新版ドライバを適用して安定動作を確認しました。

PCIe Gen4 x2対応のM.2スロットに取り付けることで、実用上はほぼ問題のない高速な10GbE通信が可能な環境となりました。

実際の通信速度と使用感

TP-Link Deco BE85を購入した際のレビュー記事にも記載がありますが、以下サイトを使用して速度を計測した結果を確認してみます。
・Speed test(https://www.speedtest.net/ja
・インターネット回線の速度テスト | Fast.com (https://fast.com/ja/)

筆者宅(光回線 10Gbps契約)での測定結果:

  • 有線接続:最速で7.4Gbps前後(10Gポート使用)
  • 無線接続:800Mbps~1Gbps(6GHz帯)※Wi-Fi 7対応端末がないため、Wi-Fi 6端末で計測
    • リビング〜2階寝室:800Mbps〜1Gbps
speedtest.netでの結果(有線)
Fast.comでの結果(有線)

時間帯により上下すると思いますが、1G環境では大体300Mbpsが平均だっただけに、この速度はとんでもなく速くなっており驚きです。
また、Gbps出ていることでM.2型10ギガビットイーサネットアダプタが正常動作していることに安心しました。

ぽんさん

中華製のよくわからない拡張パーツ買ったから、心配だったけど
しっかり動作してくれてよかった!

つなさん

あとは「耐久性」が気になるところ

ぽんさん

壊れたらまたレビューするよ…。

M.2型のメリット・デメリット

メリット

  • PCIeスロットに空きがなくてもM.2スロットに空きがあれば使える
    • スペック表の「対応バス幅」を確認してください。
  • 小型省スペースPCにも対応可能
  • 複数速度対応(10G / 5G / 2.5G)で柔軟な運用が可能

デメリット

  • Tiny daughter boardの設置スペース確保が必要
  • ケーブル長が短めで配線に工夫が必要
  • 国内保証は基本的にないため自己責任

まとめ

今回検証したM.2型10ギガビットイーサネットアダプタは、PCIe Gen4 x2対応のM.2スロットと組み合わせることで、その性能を十分に引き出すことができました。
PCIe Gen4 x2の帯域は、10GbEの最大転送速度をしっかりとカバーしており、実際のベンチマークや大容量ファイル転送においても安定して高速な通信が可能であることを確認しています。
さらに、コンパクトなM.2タイプのため、PCIeカードと比べて省スペースで設置がしやすく、小型PCや限られたケース環境での10GbE導入に最適な選択肢と言えると思います。
初めて高速ネットワークを導入するユーザーや、スペースに制約のある環境でも手軽に10GbEを実現したい方におすすめできる製品です。

ぽんさん

写真や動画ファイルの移動・大容量ゲームのダウンロードを頻繁にする
筆者としては、回線速度のアップグレードは正解でした!

つなさん

10G環境は、LANケーブル、LANカード、環境によっては10G対応スイッチが必要になってくるから、本当に必要か検討してから導入してみてね

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